外壁塗装を知るには外壁材を知るべし!〜モルタル壁編〜

あなたの家の外壁の材質って何ですか?今の家の外壁の材質を聞かれて、即答できる方はそう多くないでしょう。

外壁材は種類によって特徴も短所・長所も違います。それに伴い外壁塗装の際に注意すべき点も変わってくるので、外壁塗装を理解するには外壁材を知ることが重要です。

各外壁材の特徴をこれから数記事にわたって紹介します。まずはじめに、この記事では日本で最も普及している外壁材の一つであるモルタル壁について解説していきます。

モルタル壁の特徴:長所と短所

モルタル壁はモルタルを壁に塗った後、表面に塗装をして仕上げます。モルタルとは、セメント、砂、水を練り合わせた壁材のことです。

モルタル塗りの壁は 90 年代初めまでは定番の壁材でしたが、最近ではサイディングが利用されることが一般的です。

モルタル壁の長所

モルタル壁は重厚で落ち着いた風合いに仕上がります。また、表面の塗装で意匠に変化をつけることができます。

サイディングのように目地が表面に出てくることもありません。

モルタル壁の短所

モルタル壁は材質の特性上、収縮によるクラックが発生しやすいのが最大の欠点です。重量もあり、比較的地震に弱いのも特徴です。

また、左官屋さんがコテで塗り込めていくので、施工に時間・費用ががかかります。職人さんの人手不足もあり、施工が簡単なサイディングに取って代わられることとなりました。

モルタル壁を塗装する時の注意点は?

それでは、モルタル壁の外壁塗装をする際はどのような点に気をつけるべきなのでしょうか?

モルタル壁を塗装する時はクラックの処理に注意!

モルタル壁の塗装工事を行う際は、クラックの処理に注意が必要です。

ヘアクラックなら塗料で塗り込めてしまって支障ありませんが、ある程度幅があるクラックを塗料で塗り込めてしまうと、塗装直後は問題ないように見えてもすぐにクラックが口を開いてしまいます。

クラックがあった場合には、クラック部にV字状にカットを入れモルタル補修してから、塗装します。細いクラックのままだとモルタルがうまく入っていかないので、一度広げて補強する必要があります。

セルフチェックで大きめのクラックが見つかっている場合は、施工業者に補修方法についてよく相談しましょう。

カビの除去にも配慮しよう

仕上げによっても違いはありますが、モルタル壁は凹凸が多く水分が滞留しやすいため、表面にカビが発生することがあります。特に日当たりの悪い北側の壁に発生しがちです。

カビなどで汚れた状態で塗装すると、塗料の密着が弱くなり塗装の寿命が短くなることがありますので、塗装を行う前に高圧洗浄でしっかり除去する必要があります。

細菌を分解する成分を配合したバイオ洗浄をすすめられる場合もあります。カビがひどい場合は検討してもいいでしょう。

モルタル壁の仕上げの種類

モルタル壁の仕上げには、スタッコ、リシン、タイル吹き、ジョリパットなどがあります。順に特徴を見ていきましょう。

リシン

アクリル塗料に細かい砂等を混ぜて吹き付けた仕上げで、細かい砂目模様が特徴です。モルタル壁の仕上げとしては最も安価で一般的です。

塗装厚が薄いためひび割れしやすくカビも発生しやすいので、塗装の際は補修や洗浄に注意が必要です。また、塗料の吸込みもあるため下地調整剤を塗布してから塗装するのが一般的です。

スタッコ

リシンと同じように砂や大理石を塗料に混ぜて吹き付けたものですが、リシンより目が粗く凹凸が激しい模様になります。

厚塗りのためひび割れは発生しにくく耐久性も高いのが特徴ですが、塗装の際はその凹凸のため表面積も増え、同じ面積を塗るのに多めの塗料を必要となり、塗装の手間もかかります。

ジョリパット

ジョリパットは砂を塗料に混ぜたものですが、意匠のバリエーションに富み、吹付けよりもローラーやコテ仕上げのほうが一般的です。特にコテ仕上げは、コテ跡による表情がシックな印象を与えます。

凹凸は少ないですが、ザラザラした表面になるのでリシンと同じように塗料の吸込みは多めです。

吹付けタイル

タイルと言っても、塗料を吹き付けてタイルのような光沢を出した仕上げで、粘度の高い塗料を吹き付けることで独特の表情が出ます。工程が多く、単価は高めです。

塗装の際は、凹凸も少なく塗料の吸込みも少ないため施工性は高いと言えるでしょう。

まとめ

以上、モルタル壁の特徴について紹介しました。仕上げによっても外壁塗装の際に気をつけるポイントが違うことがお分かりいただけたと思います。

一度お家の壁を見て、触って確かめてみて下さい。外壁の特徴や状態を理解して、良い工事が出来るよう願っています!