外壁塗装を知るには外壁材を知るべし!〜その他の外壁材編〜

これまで、外壁塗装を知るための基礎知識としてモルタル壁、窯業系サイディング、パワーボード(ALC)の特徴やメンテナンスについて学んできました。

この記事では、それ以外の外壁材についてまとめて確認してみましょう。

サイディング

窯業系サイディングについては別記事で解説しましたが、他の材質のサイディングについても見ていきましょう。

金属系サイディング

金属系サイディングには、安価な順にスチール系、アルミ系、ステンレス系と、スチールにアルミ亜鉛合金でメッキしたガルバリウム系などの種類があります。

窯業系サイディングと比較して軽量で、裏側に断熱材が貼られているため断熱性に優れている点が挙げられます。

一方弱点は、金属ならではの「錆び」でしょう。ステンレスやアルミニウム、ガルバリウムもやはり錆びは発生します。分かりやすい赤錆びだけでなく、白くカビのように粒状に発生する白錆びもあるので注意が必要です。

セルフチェックで塗装のチョーキングを確認するとともに、錆びの発生も確認するようにしましょう。外壁塗装の際に錆びがあるまま塗料を塗ると、後々不具合が出る可能性がありますので、錆びの除去をしっかり行なってもらうよう施工業者にお願いしましょう。

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングとは、その名の通り塩化ビニール樹脂製のサイディングです。日本ではあまり知られていませんが、北米では約50%のシェアをほこります

最大の特徴は、顔料が材料に練り込まれているため再塗装が要らないことです。また、目地も不要でまさにメンテナンスフリー。

良いことづくめなようですが、あまり普及していないため選べる種類や施工業者が少ないことと、日本人には少し質感が低いように見えてしまうことが欠点です。

前述の通り再塗装は不要で、劣化や破損した場合は張替えになります。

木質系サイディング

その名の通り、天然木を使ったサイディングです。火が心配なように思われるかもしれませんが、防火処理を施し防火地域で使用できるものもあります。

長所は天然木ならではの風合いと断熱性です。処理を施しているとはいえ、やはり木材なのでメンテナンスを怠ると腐食などの不具合が起こりやすくなります。色を乗せるとせっかくの風合いが損なわれてしまうため、再塗装の際は早めのクリア塗装がおすすめです。

タイル張り

タイル張りの外壁は、豪華な印象になります。10年、20年経ってもタイル自体は色あせや劣化もあまり無く、塗装も不要です。

しかし、メンテナンスが不要かと言うとそうではなく、建物の揺れなどにより下地からの浮きや亀裂が発生します。約10年毎に、タイル面の調査が必要になります

タイル張りのメンテナンス

ひび割れは目視で行いますが、下地からの浮きは目では確認出来ないため点検用のハンマーで打診調査を行います。ハンマーと言っても一般的な金槌のような形ではなく、先に球のついた金属棒をタイル面で転がして、音の違いで剥離箇所を探すわけです。

浮きの状況によって、張替えや小さな穴を開けて接着剤を注入するなどの方法が取られます。張替えの場合は、全く同じ色柄のタイルが製造されていない場合もありますので、施工業者と一緒に既存のタイルとよく比較して選定しましょう。

ひび割れは目地部分によく発生します。モルタル壁に発生するクラックと同じようにヘアクラック程度は問題ありませんが、髪の毛の太さを超えるようですと左官補修が必要です。

また、タイル面への撥水コートもおすすめです。軽微なクラックなら浸透して防水してくれるので、漏水の心配がかなり軽減されます。

まとめ

最後に、各外壁材毎のメンテナンスする際のポイントをまとめておきます。

  • 金属系サイディング:錆びの除去をしっかり行なってくれるか確認!
  • 樹脂系サイディング:再塗装は不要、劣化したら張替え!
  • 木質系サイディング:早めのクリア塗装がおすすめ!
  • タイル張り:塗装は不要ですが、浮き、割れの補修が必要。調査後、施工業者と現状を見ながら確認

良い施工業者を見つけて、良い工事が出来るよう願っています。