自宅の外壁塗装工事を行うにあたって「ご近所に迷惑がかかるのではないか?」というのは、とても心配ですよね。
「ご心配無く!」と言いたいところですが、残念ながら外壁塗装工事を行うと、少なからず迷惑はかかってしまいます。しかし、どんな影響がありどんな対策を取るべきかを知っておけば、トラブルが起こる可能性はずいぶん減ります。
この記事では、外壁塗装工事がご近所にあたえる影響とその対策について学んでいきましょう。
■外壁塗装のご近所への影響 4 ポイント
では、外壁塗装工事がご近所にあたえる影響にはどんなものがあるのでしょうか。順番に見ていきましょう。
影響①:臭気
もっともご近所に影響があるのが、塗料等の臭いでしょう。どんな塗料でも、無臭の塗料はありません。自宅をキレイにしているあなたなら多少の臭いは我慢できるかもしれませんが、ご近所の方はただ我慢するだけになります。
また、臭いは感じ方に個人差が大きく、少しの臭いでも体調を崩す人もいます。特に小さな子どもや妊婦さんがいる家庭は神経質になりがちです。
影響②:騒音
塗装作業自体はあまり音の出ることはありませんが、その他の作業で騒音が発生します。
外壁塗装工事でもっとも大きな音が出るのは、足場の組み立てと解体です。住宅の足場工事で一般に使われる、くさび緊結足場は金属製のくさびをハンマーで打ち込んで組み立てていきますので、その際に大きな金属音が出ます。
高圧洗浄作業は強力なエンジン式の洗浄機を使うので、エンジンの騒音が出ますし、外壁に洗浄水が当たる音もかなりの音量になります。
影響③:飛散
外壁塗装工事を行う際は足場の周りをシートで囲って、塗料等の飛散を防止しますが、シートの隙間から塗料が飛び散ってしまうことがあります。明らかに跳ねなくても、ペイントミストといって目に見えない大きさの霧状の塗料が、風に乗って飛散したり、足場やシートについた塗料カスが足場解体作業の際の振動で剥がれ落ちてしまうこともあります。
高圧洗浄作業の際は、どうしても洗浄水が大きく飛び散ります。水とはいっても、洗浄水は外壁の汚れを含んでいるので乾くと跡が残ります。
洗浄や塗装で近くに車等がある場合は、シートで養生するのが一般的です。
影響④:越境
隣の家と近接して建物が立っている場合、足場を隣の家の敷地に立てさせてもらう必要があるかもしれません。足場は敷地内に収まっても、作業員が立ち入らなくてはならない場合もあります。
当然ですが、空中で足場や作業員が隣の敷地にかかるのも越境にあたりますので、事前の打ち合わせは欠かせません。
■ご近所への迷惑を減らす対策とは?
それでは、外壁塗装工事にともなう迷惑や苦情はどうやって防止すればよいのでしょうか?臭気や騒音、飛散はシートなどで軽減することはできても、ゼロにすることは出来ません。
しかし、ちょっとした配慮で苦情に発展する可能性を減らす事ができます。
工程には「いつから、いつまで」を明記!
同じ臭気や騒音でも、人は心の準備が出来ていなければガマンできませんが「いつから、いつまで」が分かっていれば意外とガマンできるものです。
施工業者に工程表を作ってもらうときは、どの工程でいつからいつまで臭気や騒音が出るのか明記してもらいましょう。日々の作業時間も明記し、必ず守ってもらうようにお願いしておきましょう。
季節によりますが、作業時間は8:30〜17:30ぐらいが一般的です。
あいさつは業者任せにしない!
工事前の近隣あいさつは業者任せにせず施工業者と一緒に伺うのがベターです。顔と顔を合わせて話せば、多少のことはガマンできるものです。
越境が必要で敷地を借りる際は、タオルや洗剤など日用品レベルのあいさつ品があるといいでしょう。
時期を検討しよう
春や秋は気候がよく、外壁塗装工事に適した季節ですがご近所も窓を開けて過ごすことが多い季節です。塗料の臭いが気になりがちなので、ご近所が気になる場合には夏や冬に塗装するのも一つの方法です。
近くに妊婦さんがいる場合は、時期をずらしてもいいかもしれませんね。
仕様を検討しよう
塗料には、水で希釈する水性塗料とシンナー等の溶剤で希釈する油性塗料があります。油性塗料のほうがどんな下地にも塗れて耐久性も高いのですが、臭気は強くなります。
臭いが気になるなら、打ち合わせ段階で水性塗料を使えないか相談しましょう。
まとめ
このように、外壁塗装工事はご近所に「臭気、騒音、飛散、越境」などの影響を与えます。これらは施工時期や仕様を工夫して軽減できますが、ゼロにはなりませんしかし、事前にしっかり「いつから、いつまで」を明記して案内しておけば、苦情に発展する可能性はグンと下がります。
最後に、最も大事なのはコミュニケーションです。工事のあいさつは業者と同行するのはもちろん、普段からご近所と人間関係を作っておけば、外壁塗装してキレイになった我が家で、より快適に暮らしていけますね!